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2020年の東京オリンピックの大会競技にも選ばれ、テレビなどのメディアでも競技や選手が取り上げられるなど、今注目を集めている空手道。西濃運輸空手道部にもこの春新たに2名の選手が加わり、ますますの活躍が期待される中、先日の西日本実業団選手権では形競技の田中美佐稀選手が優勝、組手競技の深澤沙羅選手が準優勝、北山あり選手が3位と好成績を残した。そこで今回の風が吹くでは、西日本実業団選手権で活躍した3選手に話を聞いた。
【Profile】
田中 美佐稀 西濃運輸 経営戦略部広報課
4歳から空手道を始める。主な成績は2017年愛媛国体優勝、KARATE-1シリーズA・スペイン大会3位。昨年からナショナルチームに選抜されている。
形競技では力強い演武を見せる一方、料理と嵐とマンガが好きと、女の子らしい一面も。オフの日は友人と買い物したり、昨年から始めたご朱印集めにもハマっている。
北山 あり 西濃運輸 総務部保険課
小学校2年生から空手道を始める。主な成績は2016年岩手
国体4位、関東学生空手道体重別選手権大会3位。
オフの日は部屋やお気に入りのカフェでゆっくり過ごしたり、綺麗な景色を眺めて、気持ちと身体をリフレッシュ。遊びやごはんの企画を立てては、田中さん、深澤さんの
2人をよく巻き込んでいるそう(笑)。
深澤 沙羅 西濃運輸 経理部経理課
小学校1年生から空手道を始める。主な成績は高校インターハイベスト16でジュニアのナショナルチームにも選ばれた。
細身の見た目とは裏腹に、食べるのが大好きでかなりの大食い。お寿司やしゃぶしゃぶが特に好き。最近車を買ったが、まだ若葉マークで広い道を走るのが怖く、運転はもっぱら近場が専門に。
西日本実業団を振り返って
田中:主要な選手が海外大会に行っている中、絶対優勝しなければいけないと思って臨みました。結果として全試合5対0で完勝出来、自分が望んだ結果が出せました。
北山:優勝を狙っていましたので、望む結果ではありませんでした。ですが入社以来練習してきた「相手との駆け引きを“より緊張感のある間合い”で行う」ことなど練習の成果が試合で出せ、成長を実感した大会でもありました。その上で新たな課題も発見出来、更なる成長につなげていきたいです。
深澤:岐阜県大会で悔しい想いをし、西日本実業団では結果を出したいと思っていました。準決勝では普段練習してきたことや気持ちを出して試合が出来ましたが、決勝では気持ちに迷いが出て、自分が思うような試合が出来ませんでした。優勝するためにはそこが足りなかった点だと思うので、これから改善していきたいです。
普段どんな練習をしているのですか?
田中:突きや蹴り、立ち方を加えての移動などの基本練習をしながら、最近では海外の大会で勝っている選手の傾向を見ながら、点数が出ないのは今の自分達に何が足りないのかを新馬場先輩と話し合いながら、足りない部分に重点を絞り練習しています。形一本を通しでビデオに撮り、課題が出来ているかチェックをしては、研究と練習の繰り返しで、細かい微調整を続けます。形は試合時間が2、3分で、その中で全てを出し切らなければならず、練習で出来ても本番で出来なければ意味がないので、その一発に掛ける集中力を日々高められるよう、本番を意識した練習を心掛けています。
北山:空手道部としてほぼ毎日練習をして、練習がない時や練習後には体の基礎を作るためジムに通っています。普段は技術面を中心としたメニューを行ない、社外練習で実践的な練習もしています。
普段の練習では本間監督がその日の選手の調子に合わせて、全体がまとまるよう考慮した練習メニューを組んでくれています。
深澤:男子選手と女子選手あわせて4名いるのですが、男子選手と練習しながらアドバイスをもらうと、女子選手とは考えていることや目線がまた違うので、駆け引きのやり方など、日々発見がありながら練習が出来ています。大学と比べ練習時間は長いですが、長いと感じる間もなく、あっという間に終わってしまいます。
西濃運輸空手道部に所属して得られたものは?
田中:学生の時は自分がやりたいスタイルでやる、自分目線での空手道でした。社会人になってからは審判目線で考えるようになりました。形は完全に他人の評価なので、自分がやりたい形を打ってもそれが評価されなければ意味がない。若井総監督からは、どんな目線で見られていて、何を審判は評価しやすいか、そういう目線で教えて頂いています。
北山:精神面での成長を1番感じています。学生の時はキャプテンをやっていたこともあり、人に何かをお願いしたり、自分のネガティブな部分を見せることを避けてきました。今までは1人で『自立しなければ、強くあらなければ』と自分で殻を作っていて、それを空手道部のみんなが破ってくれたことで、自分の思いや考えを相手に伝えられるようになり、コミュニケーションがしっかり取れるようになりました。
深澤:大学までは自分の感覚でやっていました。西濃運輸空手道部に入ってからは、自分で考えながら試合をするようになり、人の意見を自分から聞いて吸収することを覚えました。私は前拳の間合いを取る時が弱く負けていたので、前拳をしっかり意識するようにと大会前に言われていて、試合ではそれをしっかり出せ、組手メンバーに試合で活かせたことが良かったと凄く褒めてもらえました。
空手道を社会人でも続けるモチベーションは何ですか?
どこを目指していますか?
田中:最初は大学で一旦空手道を辞めようと思っていました。大学の最後に全日本学生選手権と世界学生選手権で1番になれ、やっと手ごたえがある結果を出せた時に、ここで辞めてしまってもいいのかなと考えるようになりました。技術を高めるには凄く時間が掛かるけど、失われるのは一瞬。なら、お腹いっぱい満足するまで空手道をやった方がいいという気持ちになり、せっかくならトップの指導者・選手がいるところでやりたいと思いました。来年の東京オリンピックで空手道競技が行なわれます。ナショ
ナルチームにも入り、それを目指せる位置にやっと自分が立てたことは嬉しくて、オリンピックまであと1年もないですが、海外の試合にもどんどん出て、世界ランキングを高められるところまで高めたいです。
北山:学生の時からナショナルチームに入ることが目標で、今もなお私の夢です。夢を諦めきれず、体力と気力が持つまでは夢を追い続けたくて、実業団で空手道を続けることを決めました。今は世界ランキング50位以内に入ることがナショナルチームに入
る基準なので、少しでも夢に近づくためにチャンスが出来たら積極的に世界大会に出場したいと考えています。そして、私個人の目標だけではなく、しっかりと結果を残して両親や周りの方に恩返しをしていきたいです。
深澤:大学で三回ぐらい手術をし、空手と就職を秤に掛けて考えた時に、まだ空手をやりたい気持ちと自信がない気持ちがありました。ただ、自分の好きな空手を、怪我ばかりで嫌な思いで終わりたくないという気持ちがあって、好きな空手を最後良かったって悔いの無いように終わりたいと思ったので、実業団で空手をやろうと決め、西濃運輸に入りました。全日本実業団で優勝することが今の目標です。
応援をしてくれる全国の皆さまへメッセージをお願いします
田中:このような整った環境で空手をやらせて頂いていたのは、全国の皆さまのお蔭だと思っています。支えてもらって自分が空手道を出来ていることをしっかり忘れず、結果で恩返し出来るように、これからも頑張っていきたいと思いますので、応援よろ
しくお願いします。
北山:いつも応援して頂き、ありがとうございます。たくさんの方々に出会い、本当にお世話になっております。保険課のみなさんにも、練習や大会等で不在にしてご迷惑をかけてしまうことが多い中、「頑張っておいで!」と背中を押してもらっています。まだまだ未熟で恩返しと言える結果を残せていませんので、今後、応援してくださる皆様に良い報告が出来るよう、日々精進してまいりますので、これからもよろしくお願いします。
深澤:今回の西日本実業団の大会に出場して、会場(尼崎市ベイコム体育館)近隣の店所の方々が応援に来て頂いて、全国の皆さまが私達を応援してくださっていることを改めて実感しました。これからしっかり結果を残して皆さんに喜んでいただけるように頑張っていきたいと改めて思います。